新橋で1週間に2度マルチ商法に勧誘された話。【part1】

「このお店であなたが1番輝いているね。」
今考えたらこのお店でって…規模が小さい。
あるBARでスタッフをしてた時の話だ。
マルチ商法がどんなものかも知らなかった僕は
その後、なぜか写真を撮り連絡先を交換。
取り敢えず自己紹介が終わりいきなり
遊びの誘い、相手の方は30を超えた女性の方で
正直異性としては見ることはできませんでしたが
その週の日曜、新宿のカフェに…
そこは新宿からバスで約5〜10分程度の
距離のビル内にあった。カフェに行くという
オシャレなことはしないので少しばかり緊張。
もちろん相手の方も2回目でしたので。
ガラス張りの窓から日差しのかかる席に
座り、ホットコーヒーを一口。
初めは今の仕事のことについて。
給料こそは聞いてこなかったが
それ以外のことはほとんど話した。
「私は権利収入で収入を得ているの。」
意味がわからなかった。
取り敢えずこの世には労働収入と権利収入の
2種類あるらしい。サラリーマンや公務員
こういった人が労働収入、権利収入とは
マンションをもっていたり土地を持っていて
その賃料で収入を得ていることらしい。
これを聞けば権利収入がいいに決まっている。
「興味ある？」の問いに僕は即答だった。
歩いて5分ほどにあるマンションの一室に
入るとサングラスの男性が…
一瞬驚いたが、彼は微動だにせず
日向ぼっこをしていた。
「彼も飲食店で働いていたの。
労働条件が悪く、こっちにきて稼いでいるの。」
とにかくそうなんだと思った。
なんとまあ素直な奴だ。

あなたに見せたいものがあるの！
とビデオをまず2本見る。
１つは豪華客船で世界を楽しい仲間とともに
回っている映像。
2つ目は労働収入と権利収入どっちがいいと
あなたは考えますか？というビデオ。
楽しそうで、権利収入がいいな、
と思えるビデオ。この人たちすごい人なんじゃないかと
錯覚を覚えそうなほどだ。
「ここから商品説明しまーす♡」
どうやら生活用品を売って稼いでるようだ。
洗剤、シャンプー、ポディソープ
よく落ちて、髪がきしまず、肌もスベスベ
といった内容。説明後には試供品までも
頂いてしまった。
そんなこんなで夢中になっていましたが
部屋の中には何十人もの男女が…
い、いつの間に…。
軽く挨拶をして帰り際、トップでありそうな男性に
「この業界は厳しい。真剣に考えて
やるかやらないか、決めてきてほしい。」
と言われ外に…
「今日は来てくれてありがとう」
いえいえこちらこそ、と挨拶を交わし
新宿の南口に…
その時なにか夢から覚めるような感覚…
これってまさか。。。？
はめられてないか？と気づく。
次の日職場で同様の話をすると
マルチ商法の方だと判明。
悪いわけではないが僕には無縁だと判断。
それから連絡をとってないわけで
試供品も使ってないわけで…。
バスもカフェもコーヒーの味も
マンションも顔も全て鮮明に思い出せる。
今、彼らはなにをしているのだろうか？